★総合格闘技を語ろう!★
K―1ワールドMAX日本王者・佐藤嘉洋(26)=フルキャスト=が、亡き同級生に悲願の世界王者をささげる。世界一決定トーナメント開幕戦(28日・日本武道館)の会見が27日、都内で行われ、デニス・シュナイドミラー(22)=ドイツ=と対戦する佐藤は、2003年3月に名古屋連続通り魔殺人事件の被害者となった菅谷悦子さん(享年22歳)と幼なじみだったことを告白。4年たっても悲しみが消えることのない遺族を勝利で勇気づける。
佐藤には「愛を知る県、愛知県から来ました」という会見での決まり文句がある。これには、実は深い意味も隠されていた。4年前にせい惨な事件の被害者となった菅谷さんは、名古屋市立杉村小学校時代の同級生だったのだ。「学校の帰りにはよく手をつないで帰りました。とても仲が良かったんですが…」地元愛の理由を問われ、胸に秘めていたつらい記憶を初めて明かした。
故人と幼なじみだったことを知る遺族からは、手紙をもらったこともある。「佐藤さんの活躍を見ることが励みになっています」との趣旨だった。日本ミドル級の最終兵器と呼ばれる男には、戦って勝つことで、遺族を勇気づけることも求められていたのだった。
プロ意識も芽生えた。実力者ながら地味な存在だったが、5月から地元のスタイリストにコーディネートを依頼してイメージチェンジ。会見にはブーツからジャケットまでスタイリストのオリジナルブランド「EGO TRIPPING」に長身を包んで登場した。同じ名古屋出身の谷川貞治イベントプロデューサー(45)は「試合内容にも期待したいですね」と“愛知愛”で激励した。