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K-1 WORLD GP 2007 IN AMSTERDAM(現地23日・アムステルダムアリーナ)、野獣死すべし-。昨年、当地で引き起こした敵前逃亡事件の“みそぎマッチ”に引き出された野獣ボブ・サップ(32)=米国=が、現役最多3度のK-1GP優勝を誇るピーター・アーツ(36)=オランダ=と対戦し、左ヒザ蹴り一撃でわずか1回26秒、KO惨敗した。あまりのふがいなさに激怒した観客がリングにオレンジなどを投げ込み、因縁の地は“暴動”寸前になるなど騒然。前途多難な復帰戦となった。 サップは前蹴りを放ったアーツの左足をつかみ、左腕を突き出して押し倒した。総合格闘技なら、そのまま続行できるが、立ち技では仕切り直しだ。ブレーク後、再び猪突猛進したサップだったが、ガードを左前蹴りで崩され、ボディーをカウンターの左ヒザでえぐられると、そのままダウン。TVのゲスト解説を務めた藤原紀香の「立て!」という丹下段平ばりのゲキもむなしく、泣き虫サップは苦もんの表情で10カウント。これが復帰戦のすべてだった。 入場から明暗は分かれた。全盛時代と同じ荘厳な入場曲「ツァラトゥストラはかく語りき」で登場したサップにはブーイングの嵐。地元の英雄アーツはスタンディングオベーションで迎えられた。完全アウエーだ。 そして、あまりにもふがいないKO負けにアンチのファンも激怒。次々とオレンジが投げ込まれ、リングサイドの紀香も「なんか、いっぱい飛んでる!」と大興奮。アーツがマイクを手に「こんな試合で終わってごめんなさい。次回はもっといい相手と試合をするよ」とオランダ語で謝罪し、何とか場を収めた。 サップは無言のまま会場を去った。アーツは「あれで倒れるとは正直思わなかった」とあきれつつ「オレの地元で皆が楽しみにしてるんだから、次やるときはもう少し立ってろ!」と野獣に“教育的指導”。K-1の谷川貞治イベントプロデューサーも「全然、改心した試合ではなかった。あの内容では和解できるような気持ちになれない。裏切られた気持ちでいっぱい」と酷評し「弁護士と相談します…」と、和解を白紙撤回しかねない落胆ぶりだった。 02年の日本デビューで大ブレークし、04年ごろまでバラエティー番組、計7本のCM、CDや弁当まで発売されるなど“時の人”となった栄光の日々も今は昔。バブルははじけ、一気に転落した。四角いジャングルの厳しさを思い知らされた野獣。復帰から完全復活までの距離は遠そうだ。